大人向け読み聞かせで育む『言葉の力』と脳に与える効果について
2026年3月3日(火)『みみの日』 【暮らしの相談セミナー】本日のテーマ
大人向け読み聞かせで育む『言葉の力』と脳に与える効果について
~「聞く」「話す」そして「会話する」ことが大切に思う講座~
本日は、パルクシステム株式会社 ソーシャルワーク事業部 課長の日下智也さんと、言語聴覚士の 千葉典子 さんを講師にお招きして、加齢などに伴う様々な機能低下についてのお話と、絵本の読み聞かせをしていただきました。

千葉さんは、幼稚園教諭として勤務された後、フリーアナウンサーとしてもご活躍。現在は、言語聴覚士として福祉の現場で「ことば」に携わっていらっしゃいます。
教育・放送・福祉という異なる分野で培われた経験が重なり合い、講座では専門的でありながらも、非常に分かりやすく、心に響くお話が展開されました。
セミナー内容(座学)
●言語聴覚士とは?
言語聴覚士は、ことばによるコミュニケーションや嚥下(飲み込み)に問題を抱える方を支援する国家資格の専門職です。
生まれつきの病気や加齢などによって「話す」「聞く」「食べる」ことが難しい方の社会復帰を支え、その人が自分らしい生活を送れるよう支援することも大切な役割です。
単なる“機能回復”ではなく、人生や生活そのものに寄り添う仕事であることが伝わってきました。
●言語聴覚士として知ってほしいこと
①ヒアリングフレイル
②加齢性声帯萎縮症
③加齢による嚥下機能の低下
千葉さんから学んだことは、「ことば」に関わる機能は、加齢とともに少しずつ変化していくという事実でした。
ヒアリングフレイルのように、聴こえにくさが会話の減少を招き、心身の衰えにつながること。
加齢性声帯体萎縮症として、身体機能は自然と低下していくこと。そして嚥下機能もまた、年齢とともに変化していく可能性があること。
これらは特別なことではなく、誰にでも起こりうる自然な変化です。だからこそ大切なのは、まずそのことを「知っておくこと」ではないでしょうか。
聞こえにくさや飲み込みにくさを年齢のせいと片づけず、身体やことばの変化に気づく視点を持ち、出来るセルフケアから取り組んでいきたいですね。
●「読み聞かせ」について
【子どもへの読み聞かせ】
千葉さんはまず、絵本の読み聞かせが子どもの成長において広く推奨されていることに触れられました。
読み聞かせは、語彙力の向上や想像力の育成だけでなく、親子の信頼関係を深める大切な時間でもあります。子どもの発達支援の現場では、その効果が広く認められているそうです。
【大人の読み聞かせ】
大人への読み聞かせも、とても大きな効果を生むことを教えていただきました。
①ストレスの軽減とリラックス効果・安眠効果
②想像力と創造性の刺激
③自己理解の促進
④記憶力と集中力の強化
⑤社会的つながりの強化
⑥「言葉の力」を育む(絵本でイメージを補う)
⑦絵本には正しい文法表現がある
読み聞かせは子どもだけのものではなく、大人にとっても心と脳の両面に働きかける豊かな時間であり、認知症予防の観点からも注目されているとのことでした。物語を「聞く」ことで脳が刺激され、「話す」「会話する」ことで人とのつながりが生まれる。改めて、言葉が持つ力の大きさを実感する講座となりました。
●「読み聞かせ」をする場合のポイント
①母音を大切に
②正しい舌の位置を意識しましょう
③舌、唇の筋トレをしてみましょう
日常の中でも実践できるヒントを教えていただきました。
セミナー内容(読み聞かせ)
休憩をはさみ、後半は実際の読み聞かせが行われました。
読まれた作品は、
『おおきな木』
作:シェル・シルヴァスタイン
訳:村上 春樹
『ちいさな あなたへ』
作:アリスン・マギー
訳:なかがわ ちひろ
『心ってどこにあるのでしょう?』
作:こんのひとみ
いずれも、大人の心にも深く響く作品です。

千葉さんの声は、やさしさを含みながらも、輪郭がくっきりとしていて、すっと耳に届きました。
柔らかく心地よいのに、はっきりと響き、澄んだお声に聞き入りました。
さらに印象的だったのは、登場人物や場面によって声の“色”を変えて読まれていたことです。
トーンや間の取り方が変わるたびに、物語の情景がより立体的に浮かび上がり、参加者は自然と物語の世界へ引き込まれていきました。
会場は静まり返り、参加者それぞれが物語に耳を澄ませます。
読み終えたあとには、言葉にしなくとも心が満たされるような、穏やかな余韻が広がっていました。
そして最後は、「美しい言葉にふれる」として、千葉さんが用意してくださった言葉を、参加者全員で声に出して読みました。
一人で読むのとは違い、皆で声をそろえて言葉を紡ぐ時間です。その響きが重なり合い、会場全体がやわらかな一体感に包まれました。
“聞く”だけでなく、“声に出す”ことで、言葉がより深く心に届くという、講座のテーマを体感する、印象深い締めくくりとなりました。
セミナーにご参加のお客様の声を一部ご紹介いたします
●「言語聴覚士」としてのお話、とても興味深くお聞きできました。読み聞かせもさすがプロ、とても心がすがすがしくなりました。
●今回出席して、とても心が美しくなった様な気がします。楽しい人生を過ごしたほうがいいですね。
●絵本ってステキ。帰ったら昔買った本を引っぱり出します。
●心地よい話し方で、ゆったりとした気持ちになれました。読み聞かせ、大人にとってもすばらしい時を過ごすことができました。
〈日 時〉2026年3月3日(火) 10:30~12:00
〈会 場〉パレスへいあん(仙台市青葉区本町 1-2-2)
〈講 師〉パルクシステム株式会社ソーシャルワーク事業部
千葉典子 さん(左)日下智也さん(右)




